13

Dec

ナラ枯れセミナー

◆原因と対策が判明

 はだの里山保全再生活動団体等連絡会と秦野市の主催による「ナラ枯れ被害対策セミナー」が保健福祉センターにて開催され出席しました。

 セミナーの講師は、神戸大学大学院農学研究科 黒田慶子 教授で、テーマは「ナラ枯れへの対応と森林管理について」と、市内でもナラ枯れが伝えられる中でのタイムリーなものでしたので、受講することを決めました。
 本市は、約53%が森林ですが、昨今ナラ枯れの報告がされており、その原因と対策の内容でした。
 ナラ枯れの原因は、全長5mmのカシノナガキクイムシ(雌)が媒介となっている糸周菌(カビ)によるもので、ナラの大径木に生息し枯らしているとのことでした。

   ▲カシノナガキクイムシ

 里山に生息しているナラの木は、昔、人工的に植林され、木の直径10㎝程度になると人々の燃料(薪炭林)として使用されていました。

 それも萌芽更新(切株から芽生える)という方法で植林必要もないサイクルが形成されていたため、カシノナガキクイムシが繁殖できない環境となっていたそうです。
 しかしながら、1950年代に燃料が薪から石油に代わり、里山の整備されなくなったことや、「自然」の誤った理解からカシノナガキクイムシが好む環境に変化し、ナラ枯れが急速に広がったようです。

 黒田 教授は、「里山の保全には、行政として50年後のビジョンが必要で、成果は20~30年後に出る。」と言われていたことが印象的でした。

 なお、別の鳥獣被害での講演も同様のことが原因と言われており、今後の私有林も含めた里山の保全が大切だということが分かりました。